MENU
MENU
2019.10.23更新

佐藤先生に聞こう! プレ妊活から育児までパートナーのとGOODな関係

赤ちゃんがほしいと思ったら、パートナーも一緒に生活習慣の改善に取り組むことが必要なのは、すでに常識です。妊娠中の不安やストレスの解消にもパートナーのサポートは欠かせません。プレ妊活、妊娠中、育児まで、メンタル面の支えとなるパートナーの理想的な関係性とは?  産科婦人科舘出張 佐藤病院の院長で、女性の心と体の健康に取り組む佐藤雄一先生に話をうかがいました。

やさしい男性が増えています

最近は男性がやさしくて妊婦健診に付き添う人も多いですね。女性以上に気を遣っていたりするので、そういう人なら出産後の育児も問題ないと思います。 産科婦人科舘出張 佐藤病院では、パパ向けの両親学級やプレパパセミナーを実施しています。つわりのときに作ってあげられる食事やパパが作る離乳食など栄養面のお話や、ママの体や気持ちの変化などを学んでもらいます。そのほか、出産の際にどんな助成金や補助金があるのか、育児にかかる費用など、お父さんにも深くかかわるお金の話はとても好評でした。

家族のために!タバコから卒業

妊娠に向けた生活改善は男性も一緒に取り組んでもらいましょう。煙草を吸っている人は、まず禁煙(卒煙)です。喫煙は特に吸っている本人だけでなくパートナーと生れてくる赤ちゃんにも深刻な影響を与えます。喫煙で生じた副流煙や吸っている本人が吐き出した煙を吸ってしまうことを「受動喫煙」と言います。タバコの煙の中には約4,000種類の化学物質、約200種類の有害物質、約60種類の発がん性物質が含まれています。喫煙する人はタバコのフィルターを通して吸っていますが、周囲にいる人は無防備なため、全てを吸いこんでしまいます。

さらに注意したいのが「三次喫煙」です。部屋の壁紙やカーテン、洋服に染みついたタバコの煙が有害物質を出し続け、それを吸ってしまうことでも健康被害を受けます。特に妊婦や赤ちゃんへの影響は大きいので、絶対に周囲に喫煙者がいない状態にすることが大事です。喫煙者は非喫煙者の3~4倍不妊の確率が高くなり、妊娠しても低体重児が生まれやすくなります。もし二人ともタバコが辞められないようなら、一緒に禁煙外来に通ってみてはいかがでしょう。

栄養バランスを考えた食生活にチェンジ

妊娠するための体づくりには栄養が大切。どんな食事をすればいいのか、パートナーにも知ってもらい、同じものを一緒に食べましょう。

「タンパク質が多く、炭水化物が控えめの食生活が妊娠する力を高める」という研究結果がアメリカ産婦人科学会で発表されました。タンパク質はカラダをつくり、ホルモンや酵素の原料になる大切な栄養素です。妊娠に向けた体づくりには、体重1kgあたり1~1.5gのタンパク質が必要です。100gの肉で100gのタンパク質が摂れるわけではありません。タンパク質として吸収されるのはごくわずかなので、思っている以上にたくさん食べなければなりません。

タンパク質には動物性と植物性があり、吸収率が高いのは、肉、魚、卵などの動物性です。しかし、動物性だけで賄おうとすると脂分やカロリー摂取量がオーバーしてしまいます。動物性と植物性を合わせてバランスよく摂ることが理想です。炭水化物は糖に変わり、食後の血糖値が上がりやすくなります。白米よりも玄米、精製された白パンより全粒粉パンなどGI値(※)の低いものを摂るといいでしょう。炭水化物はゆっくり時間をかけて、よく噛んで食べることで、血糖値上昇のスピードが緩やかになります。

※GI値=ブドウ糖を100としたときに対して、食品の血糖値の上昇率を表した数値。

いつ妊娠してもいいように、葉酸をサプリメントで摂るといいでしょう。葉酸は女性に限らず男性にも必要な栄養素なのでパートナーと一緒に心がけるのもいいかもしれません。サプリメントは栄養素単体ではなく、マルチビタミン、マルチミネラルとして摂ると食事で不足している栄養のバランスを取るのに役立ち、栄養機能も高まります。妊娠したら食べるものすべてがお腹の中の赤ちゃんに影響します。今までの2倍の種類の食材を使った食事が理想です。

男性も妊娠・出産の知識を持とう

妊活・妊娠中はストレスや不安もあると思います。それを理解しないパートナーにイライラすることもあるでしょう。男性にも生れてくる赤ちゃんのための準備に興味を持ってもらい、協力し合って実践していくのは大事なことです。男性も一緒に勉強することで、女性との体の違いがわかり、生れてくる子どもに対して、それをどう教育していくかも含めて考えてもらえる機会になればいいと思っています。健康に関する正しい知識を持つことで、次の世代へのプレコンセプションケアに繋がれば嬉しいです。

メンタル面のケアに関して言うと、一つのことに集中してしまうとストレスを解消できません。妊娠する前から何か楽しいことを見つけておいて、気晴らしができるように生活を見直しておくこともプレコンセプションケアの一環だと言えるでしょう。

 

<参考図書>

『今日から始めるプレコンセプションケア』(佐藤雄一著・ウィズメディカル株式会社刊)

佐藤 雄一(さとう・ゆういち)
産科婦人科舘出張 佐藤病院 院長・佐藤病院グループ 代表
医学博士日本産婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医、公益財団法人日本体育協会公認スポーツドクターなど、多くの専門医資格を持ち、女性の心身の健康を支援。予防医療の観点から食事や栄養、運動など生活習慣の大切さを指導している。2018年秋、プレコンセプションケアを実践できるフィーカ レディースクリニックを東京日本橋に開設した。
——— Keyword ———キーワード