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薬剤師に聞いてみよう! セルフメディケーションってなに?

最近、よく聞かれるようになった「セルフメディケーション」。世界保健機関(WHO)は、この用語を「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当をすること」と定義しています。セルフメディケーションをよりよく実践するためのポイントを、ファーマシューティカルコミュニケーションを専門とする薬学博士の井手口直子先生に伺いました。

専門家と相談しながらセルフケア

ちょっと身体の不調を感じたとき、病院で処方してもらった薬を飲む代わりに、薬局やドラッグストアで一般用医薬品を自分で買って飲むことは、セルフメディケーションの柱のひとつです。自分で薬を買おうとしたとき、いろいろある中からどれを選べばいいのか悩んでしまいますよね。セルフメディケーションは、自分で自分の健康をケアすることですが、専門家の力を借りてということが前提です。身近な専門家として頼れるのが薬局やドラッグストアの薬剤師です。その人のニーズと背景に合わせて、最適なものをお勧めすることが薬剤師の役割です。

自由に選べるからこそ悩めるクスリ選び

一般医薬品、健康食品やサプリメントも、一部を除いてはドラッグストアや薬局で自由に手に取ることができます。ネットでも手軽に買える世の中です。しかし、どうやって判断するかは難しいものです。メディアの影響であったり、口コミであったり、その場で見たポップだったり、あるいはwebの情報からも選べますが、本当にそれが自分に合っているかどうかは意外と疑問であることが多いものです。そこで、対面で相談できる薬剤師の存在が大事。専門家にアドバイスをもらって、自分で決める。それが、セルフメディケーションの理想形です。

意外と知らない、薬の正しい飲み方

以前、薬の飲み方のweb調査に携わらせていただいたことがあります。痛み止めの使用について生活者の方に聞いてみると、使い方に問題がある方が多くいらっしゃいました。医師に処方してもらった医用医薬品が効かなかったら、市販の一般医薬品を買ってどんどん飲んでしまうという答えもありました。また、一般医薬品の痛み止めは飲み残したら置いておき、腰痛や歯痛にも使えますが、その範囲を逸脱している危険なケースもありました。自分で選んで手軽に買える一般医薬品だからこそ、薬剤師のアドバイスを受けて安全に服用したいですね。

サプリメントも薬剤師に相談

サプリメントを使っている人は非常に多く、一般医薬品よりも市場規模の伸び率が高くなっています。こうしたニーズを受けて、サプリメントに関して、大学薬学部のカリキュラムに取り入れられたり、薬剤師などの医療専門職を対象とした学会や認定資格も増えています。薬局やドラッグストアの薬剤師は、医薬品や処方だけでなく、健康食品やサプリメントのことを勉強している人が多いので、自分に合ったサプリメントを相談してみるといいかもしれません。

毎日の栄養管理にサプリメントを上手に活用

サプリメントが伸びている背景のひとつに、健康の維持管理に栄養を中心とした考え方が見直されていることがあげられます。普段食べている野菜にしても、主栄養がどんどん減っているという報告もあります。私たちのからだは、食べたものでできていますから、必要な栄養素をサプリメントで補うという考え方は、今の時代に合っていると思います。マイナスをプラスにするという考え方で、サプリメントを続けている人が多いですね。

目的に合わせて専門家のアドバイス

サプリメントは何かしらの目的を持って使用することも大事です。大きく分けると、からだの調子がよくないから栄養を補う、今はとくに大きな問題はないけれどより健康でいるために使用するという二つの目的があると思います。後者にはエイジングケアとして老化を防ぎたいという目的も含まれます。生活者のみなさんは、健康食品やサプリメントに効果を望んでいますが、薬ではありません。効果的に使用することは医薬品以上に難しく、そこをサポートしてもらうためにも、専門家にアドバイスをもらうことは大事だと思います。

井手口直子先生
帝京平成大学薬学部教授。薬学博士。
帝京大学薬学部薬学科卒業後、望星薬局勤務を経て、新医療教育企画(現・新医療総合研究所)を設立、現在は顧問を務める。日本大学薬学部専任講師を経て2010年より帝京平成大学准教授、2013年より現職。所属学会は、日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会、日本地域薬局薬学会、日本カウンセリング学会ほか。近著に『基礎から学ぶ行動科学理論とその技法』(薬事日報社/共著)。