
頭痛に悩まされる人はとても多く、授乳中のママも例外ではありません。薬には気をつけたい授乳中でも、頭痛をなんとかしたいというママの皆さんへ。飲んでも問題なのないと言われる薬の成分をご紹介いたします。
頭痛が辛い! 授乳中のママはどうすれば?
いつもなら頭が痛ければ気軽に飲んでいたはずの頭痛薬ですが、授乳中ともなると「赤ちゃんに悪い影響はないかしら?」ってとても心配になりますよね。また、多くの薬の注意書きにも、「妊娠中または授乳中の人は医師等に相談すること」と書かれているので、さらに不安に思うことでしょう。
飲んだ薬の一部は、母乳に入り込むため、赤ちゃんに影響があると考えられています。しかし、実際には飲んだ薬のごくわずかしか母乳中に移行しません。もし、それを赤ちゃんが飲んだとしても、赤ちゃんの体に吸収されるのはさらにその一部。だから、赤ちゃんに影響を及ぼすことはほぼないと考えられています。
ではなぜ、薬の注意書きを見ると授乳中の使用に関して「授乳を中止」と記載されているのでしょうか。その理由は、科学的な裏付けが乏しい場合が多いのが今の現状だからと言われています。
頭痛がとても辛い時は、授乳中だからといって我慢をしすぎずに医師や薬剤師などに相談して、適切な薬を処方してもらうのが良いでしょう。母乳中の薬の濃度は、お母さんの血液中の薬の濃度の推移とほぼ一致すると言われています。そのため、服薬の時間と授乳の時間を工夫すればさらに影響を少なくできます。この点も医師や薬剤師などに相談すると良いでしょう。
頭痛の原因は何? 片頭痛と緊張型頭痛について知っておこう!
ひとことで「頭痛」と言ってもその原因は様々ですが、私たちにとって身近なのが「片頭痛」と「緊張型頭痛」です。子育て中の生活には、これらの頭痛の要因になることが沢山あります。
「片頭痛」はズキンズキンという強い痛みが特徴で、20〜40歳代の女性に多く見られる頭痛です。体を動かすと痛みが増長し、光や音などに敏感になることもあります。「片頭痛」は、脳の血管が拡張し、その周辺の三叉神経が刺激されて起こると考えられています。
この頭痛が起こる原因は、日々のストレスや、急激な気圧と気温の変化、睡眠不足や睡眠過多、特定の食べ物の摂取などが挙げられます。子育て中は特に睡眠不足に悩まされる時期でもあるので要注意です。また、女性の場合は卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下する排卵時や、月経前から月経期にかけて起こることもあります。
「緊張型頭痛」は、頭の横の筋肉や肩や首の筋肉が緊張することで起こります。筋肉が緊張して血流が悪くなり、その周囲の神経が刺激されるのが原因です。頭を締め付けられたような鈍い痛みが続くのが特徴と言われています。
赤ちゃんを抱っこするのは重労働ですよね。常に赤ちゃんを抱っこしているママは、肩こりからくるこの頭痛に悩まされることも多いでしょう。また、ストレスや不安などの精神的ストレスから頭部の筋肉が緊張して、「緊張型頭痛」が起こる場合もあります。
また、頭痛はストレスやうつ病とも関係が深いと言われています。セロトニンという神経伝達物質が「片頭痛」に関係していることが分かっています。慣れない育児に不安を感じ、精神的に疲れた時に頭痛が起こることもあるでしょう。
頭痛持ちのママが飲んでもOKな薬の成分は?
授乳中に飲む頭痛薬は、できる限り医師の監修のもとで飲むのが良いでしょう。ですが、子育て期間中は自分のための病院に行く時間がなかなか取れないと思います。そういった場合などは、近くの薬局の薬剤師など、専門家からアドバイスを受けることで安心して服用することができるでしょう。できるだけ、自己判断での服用は避けるようにしましょう。
授乳中に安全に使用できると考えられている痛み止めや、片頭痛治療薬の成分をご紹介します。下に紹介した成分名で、前に(★)をつけたものは、「スイッチOTC医薬品」と言われるものです。処方箋がなくても薬局でも購入することができるので、参考にしてみてください。
【解熱鎮痛薬(痛み止め・解熱剤)成分】
アセトアミノフェン、★イブプロフェン、★インドメタシン、★ケトプロフェン、★ジクロフェナク、セレコキシブ、ナプロキセン、★ピロキシカム、フルウビプロフェン、★ロキソプロフェン
【片頭痛薬 成分】
エレトリプタン、スマトリプタン
❇スイッチOTC医薬品とは?
薬局でも買えるようになった成分が入った医薬品のことを、「スイッチOTC医薬品」と言います。「OTC」とは、Over The Counterの略で、カウンター越しにアドバイスを受けた上で購入するというところから由来しています。病院等が空いていない時間帯でも薬局で購入できるので、病院に行く手間や費用を省けるという利点があります。時間の限られた子育て期間中だからこそ、スイッチOTC医薬品を役立ててみてはいかがでしょうか。
頭痛薬にも今話題の「セルフメディケーション」を活用しよう!
2017年1月から「セルフメディケーション税制」という医療費控除の特例がスタートしています。「セルフメディケーション」とは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること(WHOの定義)とされています。そのセルフメディメーションを推進するための税制にあたります。
この税制では、健康診断などを受けている人が、薬局などで売られている「スイッチOTC医薬品」の対象商品を購入し、それらの合計金額が1年間で12,000円を超えて購入した場合は、確定申告の際に申請をすれば、超える部分の所得控除ができるというものです。上限金額は88,000円となっています。
前に紹介した(★)がついた成分が入っている鎮痛剤などの対象商品を購入した際は、ぜひ領収証を取っておきましょう。
領収証には、対象となる医薬品にセルフメディケーションの識別マークが付いています。薬局で買える医薬品のすべてが対象となっているわけではないので注意が必要です。
セルフメディケーション税制の適用を受けるための申告の際に必要な書類は次のとおりです。
1 セルフメディケーション税制を適用し、計算した確定申告書
2 セルフメディケーション税制の明細書
3 一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類
一定の取り組みとは、インフルエンザ予防接種または定期予防接種の領収証、市区町村のがん検診の領収証または結果通知表、職場で受けた定期健康診断の結果通知票などです。
セルフメディケーションについて、以下記事もチェックしてみてください。
「市販薬の購入で税金がお得になる? 「セルフメディケーション税制」に注目」
https://aska-la.jp/selfmedication/21891/
「知らなきゃ損!? 話題の「セルフメディケーション」の基本のき」
https://aska-la.jp/selfmedication/21871/
❇セルフメディケーション対象品目は下記にてご確認ください
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html#h2_free2