
赤ちゃんにとって、唯一のご飯であり栄養源といっても過言ではないミルク。「母乳で育てたい」と思うママも多いですよね。実際に、厚生労働省の「平成27年度 乳幼児栄養調査結果」によると、生後1ヶ月で51.3%、生後3ヶ月で54.7%が母乳栄養で育てているという結果が。時代とともに、母乳育児・完全母乳の意識は高まっています。そこで今回は、母乳の質が良くなる食べ物と逆に悪くなる食べ物をご紹介します。
赤ちゃんにとって母乳育児はメリットだらけ!?
母乳はママの血液からできるので、その質はママの食べたものや体調に左右されがち。授乳中のママは、規則正しい生活を心がけ、アルコールやタバコ、カフェインを控えることは基本中の基本です。
また十分な母乳を作るために、食事のカロリーを増やすことも大切。赤ちゃんのために、1日あたり450〜500キロカロリーは多めに摂取してください。その時に気をつけたいのが、食べるものの種類。お肉より魚を食べた方がいいとか、お肉なら牛肉より鶏肉だとか、パンは控えた方がいいとか、気をつけるべきポイントがたくさん。そこで次に、母乳の質が良くなる食べ物と悪くなる食べ物について詳しくご紹介したいと思います。
母乳の質が良くなる食べ物
ママの食べたものが母乳の質につながり、味や色が変化します。また乳管が詰まったり乳腺炎を起こしたりすることもあるので、食材選びはこだわりましょう。まずは、母乳の質が高くなる食べ物をご紹介します。
<穀物>
主食となる穀物では、白米や麦めし、蕎麦などがオススメです。うどんやそうめんなども比較的母乳の質に影響が出ない穀物ですがやや控えるように指導する医師もいるので自分の体調と母乳を見ながら調整してください。小麦製品を食べる時は、赤ちゃんにアレルギーがないかは要チェック。
<肉・魚>
授乳中は、お肉より魚が推奨されています。1週間に2〜3回は魚介類を食べましょう。
どうしてもお肉が食べたい時は鶏肉がオススメ。ただし、脂身が多い部位は避けてください。魚介類を食べる時は白身魚を中心に。刺身は避けて、加熱調理しましょう。また、メカジキやアマダイ、サワラなどは水銀を多く含む可能性があるので避けてください。
卵は、1日1個までならOK。赤ちゃんにアレルギーがある場合は控えましょう。
<野菜・果物>
アクが少ない旬の野菜を中心に食べてください。根菜類、葉野菜が特にオススメです。果物は食べ過ぎに注意を。糖分が多く、また体を冷やすこともあるので適量を心がけてください。
<海藻類>
わかめや昆布、ひじきなどの海藻類は、母乳の質を高めます。積極的に摂りましょう。
<大豆類>
豆腐や味噌などは母乳の質を高めます。味噌は塩分が高いのでほどほどに。また、イソフラボンの摂取しすぎにも注意が必要。食事から摂る分には、過剰摂取はほとんどありませんが、サプリメントなどで摂取している人は気をつけましょう。
<飲み物>
水以外には、麦茶やほうじ茶、番茶、ルイボスティー、たんぽぽコーヒーなど、カフェインレスの飲み物が安心です。授乳中向けの専用茶も多く販売されているので、好みの味わいのお茶を探してみてください。
<油>
油、脂質は基本的にNGですが、炒め物をする時は植物油を中心に使ってください。
母乳の質が悪くなる食べ物
続いて、母乳の質が悪くなる可能性がある食べ物を紹介します。
<穀物>
赤飯やお餅は控えましょう。乳管が詰まりやすくなると言われています。またパン・菓子パンやラーメン、カレーライス、ハンバーガーなどの脂質が多いメニューは控えてください。
<肉・魚>
授乳中は、基本的にお肉は控えめに。牛肉や豚肉などの動物性脂質は母乳に影響を与えます。また魚介類では、青魚やうなぎ、ドジョウ、アナゴ、アワビ、数の子などは控えて、刺身や寿司は食べないようにしましょう。また魚介類から作られる練り物も、母乳の質を悪くする可能性があるので、できるだけ避けてください。
<野菜・果物>
旬以外の野菜は極力避けてください。キュウリなどを冬に食べると体が冷えてしまいます。また、タケノコなどアクが強い野菜も控えてください。
<飲み物>
コーヒー、紅茶などのカフェインを含む飲み物、牛乳などの乳製品、炭酸飲料や無果汁の清涼飲料水は控えましょう。もちろん、アルコールは絶対ダメ。
<油>
油は乳管が詰まる原因になりやすいので、揚げ物は全般控えてください。ドレッシングも量を少なくするか、ノンオイルに変えることをオススメします。
<スイーツ・その他>
チョコレートやアイスクリーム、クリームたっぷりのケーキなどは基本NG。また和菓子も砂糖を多く含むので控えてください。また、香辛料がきいた激辛食品なども控えましょう。
ママが食べ過ぎたり、不摂生をすると母乳の味が変わります。例えば、乳製品や甘いお菓子を食べすぎると母乳も甘ったるくなるし、油ものや赤身の魚を食べすぎると母乳も油っぽくなります。それだけでなく、赤ちゃんの体にプツプツとできものが出たりもするのです。
医療機関が推奨する授乳期間はだいたい6ヶ月。人によっては、1歳やそれ以上、離乳食と母乳を組み合わせて続ける場合もありますが、その間は、自分の食慾より赤ちゃんのための食事の選択を心がけてください。とはいえ、ストレスの溜めすぎは厳禁。リラックスも母乳の質につながるので、ほんのたまになら、甘いものもOKですよ。