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2019.10.23更新

佐藤先生に聞こう! かかりつけ産婦人科医を持つといいコト

プレコンセプションケアは、将来の妊娠のためだけでなく、女性が生活のクオリティを上げるためにも大切な考え方です。現在の生活習慣を見直して、自分の体や健康について正しい知識を持つためには専門家のアドバイスが必要。そこで、頼れるのは産婦人科医です。かかりつけの産婦人科医を持つにはどうすればいいのでしょうか? 産科婦人科舘出張 佐藤病院の院長で、女性の心と体の健康に取り組む佐藤雄一先生に話をうかがいました。

産婦人科は早くから行くほうがいい

妊娠するまで産婦人科を受診する機会がない人が多いと思います。婦人科の検診もありますが、いつまでに何の検診を受けたらいいと決められてはいません。自治体によっては20歳になったら子宮頸がん検診を受けようと推奨しているので、それを婦人科受診のきっかけにするといいかもしれません。

子宮頸がんは20~30代の女性に急増しています。原因はHPV(ヒトパピローマウィルス)の感染です。早期に発見できれば治るがんと言われているので、ぜひ定期検診を受けてほしいと思います。妊娠して受診したら子宮頸がんだった、ということにならないよう自分の体や生活習慣と向き合って、産める体づくりをしておきたいものです。

妊娠を希望していないのに妊娠してしまうこともあります。望まない妊娠や早すぎる妊娠を防ぐためにヘルスリテラシーを持つ取り組みも、プレコンセプションケアに含まれます。欧米では生理がくるとお母さんが娘をかかりつけ産婦人科に連れて行き、ヘルスチェックのことや生殖の話をしてもらうそうです。日本でも、生理の不調があれば思春期の頃から産婦人科に行く習慣をつけておくのがいいと思います。大人になる前から自分の体について考えようと、若い人たちには話しています。

思春期に行きやすい婦人科とは?

産婦人科に行ったら内診があると思うと、若い人たちはなかなか行く気になりませんよね。産婦人科医ももっと気軽に受診してもらえるよう考えなければいけません。産科婦人科舘出張 佐藤病院には、アスリート外来に中学生・高校生がたくさん来ています。そこで、生理が順調に来ているかとか、貧血になっていないかなどをチェックしています。彼女たちは婦人科に来慣れているので、生理が不順だとか、重いとか、クラクラするので貧血かもしれないという話を自然にしています。必ずしも内診をするわけではありません。

日常的な心身の不安や心配ごとがあれば、産婦人科の先生に相談してほしいと思います。「彼氏できた」「結婚かも」とか、「やっぱダメになった」「じゃあまた次だね」みたいな話を外来で普通にできる関係性があるから、ピルを飲もう、手術をしようなど、その時々に合わせた提案ができるのです。

婦人科にかかるタイミングを逃さない

昔なら平均22~23歳で結婚していたので、生理が始まってから子どもを産むまでの期間が10年ぐらいだったので婦人科の病気もそれほどみられませんでした。しかし、今は30代で子どもを産む人も多く、生理が始まってから20年以上の期間があり、そこで生理にまつわる婦人科の病気になる可能性が高くなっています。

昔は出産のために産婦人科にかかるのも早かったけれど、今は子どもができた、または子どもがほしいと思って来てみると、婦人科の大きな病気があることも多くなっています。ですから、20歳ぐらいになったら婦人科検診に来ていただきたいし、中学生・高校生のうちから生理の相談をしてもらえればいいと思います。晩婚化で出産年齢が上がっているからこそ、できるだけ早いうちに産婦人科に来てもらえる形をつくっていきたいですね。

女性の悩みはトータルに相談

妊娠前の女性に正しい健康の知識を伝えることはもちろん、もっと幅広く女性のヘルスケアをサポートしていこうと、産科婦人科舘出張 佐藤病院では、2008年からウェルエイジング外来を開設しています。思春期の悩みから更年期の相談、メンタルヘルスやアンチエイジングまで、専門医が診察しています。

特にプレコンセプションケアは、自分自身のライフプランやキャリアプランの一環として考えてほしいと思います。そのためには、できるだけ早くから、かかりつけの産婦人科医を持って、その時々に必要なケアをしながら、正しい知識に基づいて実践していきたいですね。相談しやすい産婦人科医を探すのは容易でないかもしれません。だからこそ、ちょっとしたことから相談に入って、合わないと思ったら次を探してみるぐらいの余裕が必要。肝心なときに頼ることができる産婦人科医を見つけておきましょう。

 

<参考図書>

『今日から始めるプレコンセプションケア』(佐藤雄一著・ウィズメディカル株式会社刊)

佐藤 雄一(さとう・ゆういち)
産科婦人科舘出張 佐藤病院 院長・佐藤病院グループ 代表
医学博士日本産婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医、公益財団法人日本体育協会公認スポーツドクターなど、多くの専門医資格を持ち、女性の心身の健康を支援。予防医療の観点から食事や栄養、運動など生活習慣の大切さを指導している。2018年秋、プレコンセプションケアを実践できるフィーカ レディースクリニックを東京日本橋に開設した。
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