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2018.11.28

早めに体質改善! 女性の大敵、冷え・ストレス

女性の多くが手足の冷えを感じているのではないでしょうか。また、毎日の仕事や家事で心の疲れやストレスを感じている人もいるのではないでしょうか。誰もが感じやすい冷えやストレス。病気ではないからと、そのままにしていると子宮や卵巣にまで影響を及ぼしかねません。早めに体質改善に取り組みましょう。冷え・ストレスの原因と対処法を、産婦人科専門医の俵史子先生に伺いました。

手足の冷えは、女性のからだの注意信号

不妊に悩まれている患者さんに日頃感じているからだの不調を聞くと、多くの方が「冷え」が気になると言います。夏場や暖房の効いた部屋でも、手足が冷たくて困っている方は多いと思います。冷えを感じやすくなる疾患としては、甲状腺機能の異常や内臓機能の低下などが考えられますが、疾患を原因とする「冷え」以外は西洋医学では病気として扱われていません。手足の冷えは不快であるだけでなく、そのまま放置するとからだの隅々まできちんと血液が行きわたらず、子宮や卵巣にうまく酸素や栄養素が届けられなくなる可能性があります。将来、妊娠を意識するなら冷えに対する対策を意識したいですね。

冷え改善は、体内から温めることが鉄則

冷えの原因はいろいろ考えられますが、現代の女性は熱をつくる筋肉量が少ないうえに、運動不足が重なって血行不良になるこが多いようです。運動を取り入れるなら、脂肪を燃焼させる運動も大切ですが、筋肉量を維持・アップさせる負荷量を意識した筋トレのほうが、冷え症には効果的とも考えられます。栄養成分では漢方でも使われる生姜に含まれるジンゲロールに、からだを温める作用があるといわれています。冷えは、肩こりや便秘との女性に多い体調不良とも関係性が深いです。「単なる冷え」と軽くみず、未病を意識した体質改善に取り組みましょう。

半身浴は自分で毎日できる体質改善

当クリニックには体質改善外来があり、自分でできる冷え対策として半身浴などの入浴法を紹介しています。シャワーで済ませず、できるだけ毎日、湯船につかるようにしましょう。半身浴は、38~40℃ぐらいのややぬるめのお湯に20~30分程度つかり、下半身を集中的に温めることで、子宮や卵巣など骨盤の臓器の血行が促進されます。軽い運動と同じ効果も得られます。また、漢方外来も開設しているので、体質改善のために漢方薬を処方したり、あわせて鍼灸治療をおすすめすることもあります。

あなどれない、ストレスのからだへの影響

もう一つの女性の大敵は、ストレスです。ストレスによるからだへ影響は2つ考えられます。一つは、内分泌系への影響です。分泌系ホルモンとの関係性は、卵の質にもかかわってきます。もう一つは、自律神経への影響です。自律神経のバランスが崩れると、前述の冷えなどの症状を感じやすくなります。

ストレス社会との付き合い方 一人で抱えず心のケアを

それにしても、現代社会はストレスが多いですよね。ストレスをなくすことは難しいかもしれませんが、自分の心と身体を理解し、ストレスの傾向を知り、ストレスとうまく付き合っていくことも大切。なくそうなくそうと考えるよりも気持ちが楽になるのではないでしょうか。特に、不妊治療中はストレスを感じやすくなります。悩みや不安は一人で抱えずに、心のケアもしていきたいですね。

活動量に注目して、自分でメンタルケア

精神状態が日々の活動量に関係がある。という研究結果が発表も最近みられています。毎週、毎月、どんなことをしていたかを振り返り、もし何もしないで閉じこもっていた日が多かったら、メンタル面で落ち込みがちになっているのかもしれません。意識して外出を増やしたり、気晴らしに運動や趣味の時間などリラックスできる時間を増やしてみてはいかがでしょう。

俵 史子 先生
俵IVFクリニック 院長
産婦人科専門医・生殖医療専門医
国立大学法人浜松医科大学臨床准教授、非常勤講師
国立大学法人浜松医科大学卒業、静岡・愛知県内の総合病院産婦人科に勤務。主に不妊治療に携わる。2007年に俵史子IVFクリニックを開院、2012年に専門性を高めた不妊治療専門クリニックを目指し医療法人 俵IVFクリニックを設立。日本産婦人科学会認定ヘルスケアアドバイザー、日本産婦人科学会産婦人科指導医として後世の育成にも力を入れている。学会発表、講演多数。
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