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2020.09.25

40歳からのダイエットは基礎代謝アップがキーワード

ぽっこりお腹やメタボ体型など、年齢とともに太り方が変わってきたと感じませんか。あまり食べていないのに太ったという人は、40代以降によくみられ、とくに男性に多いようです。お腹まわりに脂肪がついてなかなかやせないのは、加齢に伴い基礎代謝量が落ちてきたからです。代謝をアップさせるダイエットで、肥満解消を目指しましょう。

エネルギー消費を高めて太りにくい身体づくり

代謝とは、生体内で行われる物質の合成・分解とエネルギー変換のことです。もう少しやさしい言葉でいうと、食事で摂る栄養素を体内に取り入れ、エネルギーとしたり、古い細胞を新しい細胞に生れ変わらせて身体をつくることをいいます。

また、脳、内臓、筋肉などの身体の組織を活発に働かせて、心臓を動かし、食べ物を消化・吸収し、体温を保つのも代謝です。また、筋肉、血液、皮膚、髪の毛なども代謝によってつくられます。つまり、代謝は生命を維持する活動といえます。生命活動を維持するために使われる必要最低限のエネルギーを基礎代謝といいます。

基礎代謝は年齢とともに下がります。代謝がよい、悪いというように、代謝のよい人は活動が盛んでエネルギーが多く発生するため太りにくく、代謝の悪い人はエネルギーを脂肪としてためこむため太りやすくなります。基礎代謝の低下によって「冷え」も感じやすくなります。

やせにくいからといって、無理なダイエットをすると栄養状態が悪くなり、消費エネルギーが低下するため体温が下がり、免疫力も低下してしまいます。40歳からのダイエットは、基礎代謝アップを目指すのが正解です。

内臓脂肪と皮下脂肪では太り方が違う

男性と女性では、同じ肥満でも見かけが違います。男性はお腹がぽっこり出て、ウエストの上、胃から胸にかけて、上半身に脂肪がつくことが多いのではないでしょうか。一方、女性の場合は、歳をとると身体全体が丸みを帯びてきますが、若いうちはお尻や太ももなどの下半身に脂肪がつきやすいといえます。

上半身に脂肪がつきやすい肥満を「リンゴ型肥満」、下半身に脂肪がつきやすい肥満を「洋ナシ型肥満」といいます。リンゴ型肥満には内脂肪型肥満が多く、洋ナシ型には皮下脂肪肥満が多いといわれ、内臓脂肪と皮下脂肪を総称したものが体脂肪です。

内臓脂肪は文字どおり内臓のまわりにつく脂肪で、これが増えると、脂肪肝、動脈硬化、高血圧、糖尿病など、生活習慣病になる危険性があります。一方、皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪で、体温を保ったり、外部からの衝撃をやわらげるクッションの役目をしています。内臓脂肪も皮下脂肪も脂肪細胞がたくさん集まってできており、そのなかに中性脂肪をたくさん抱え込むため太って見えます。

脂肪細胞はホルモンを分泌する重要な働きもしています。その代表的なものが、食欲を抑えて肥満を防ぐレセプチンと傷ついた血管を修復する作用があるアディポネクチンです。しかし、脂肪細胞が中性脂肪をため込みすぎると、血栓を溶けにくくするタンパク質や糖尿病を引き起こすホルモンを分泌してしまいます。とくに、内臓脂肪は皮下脂肪にくらべて、悪玉ホルモンを分泌しやすいことがわかっています。

基礎代謝アップにはビタミン・ミネラルも必須

肥満の改善やメタボの予防を目的に、やせたいと考えているなら、極端なダイエットはやめましょう。急いでやせようとするのは、そもそもの間違いです。すぐに効果が出るダイエットは、ごく少量の食事だけ、ある特定の食材だけを摂るなど極端にカロリーを減らす方法しかありません。そうすると、栄養バランスが悪くなりエネルギーが足りなくなってしまいます。その結果、見ためはやせたとしても、それは筋肉量や骨密度が減っているだけにすぎず、基礎代謝が低下して逆に太りやすい体質になってしまいます。

健康的にやせるために、実践したいのは基礎代謝をアップさせるダイエットです。栄養バランスのよい食事で、ひと月に1㎏ずつの減量を目指します。私たちの身体は、炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素に加え、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素、食物繊維をバランスよく摂ることで健康を維持しています。

栄養素として摂取するビタミンは13種類、ミネラルは16種類もあります。必要なのは微量であっても、それがなければ身体の代謝はうまく働きません。。栄養バランスのよい食事で基礎代謝を上げることが、やせやすい体質、冷えにくいからだ、細菌やウイルスを撃退する免疫力を手に入れることにつながります。

<参考図書・URL>

 

『あなたの健康寿命は「葉酸」で延ばせる』(香川靖雄著・ワニブックス刊)

 

『食べる量が少ないのに太るのはなぜか』(香川靖雄著・幻冬舎刊)

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