MENU
MENU
2020.09.25

軽度認知障害(MCI)はまだ防げる!

最近、物忘れがひどくなった。年を取るとよくあることですが、認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」かもしれません。記憶障害以外の認知機能は正常に保たれているため、見過ごされがちですが認知症の予備軍であると考えられています。最近の研究では、このMCIの時期に適切な治療やケアを行えば、認知症を予防できることがわかっています。どのように対処したらいいのでしょうか。

軽度認知障害(MCI)をチェック

軽度認知障害(MCI)=Mild cognitive impairment)は、物忘れが主な症状ですが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態をいいます。認知症になる前段階で、正常な状態と認知症の間に位置する、いわゆるグレーゾーンです。次のような症状がないかチェックしてみましょう。

 

1.本人または家族による物忘れの訴えがある。

2.全般的な認知機能は正常範囲である。

3.日常生活動作は自立している。

4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。

5.記憶テストなどの結果で認知症ではない。

これら5つがすべて当てはまればMCIと考えられます。

 

つまり、記憶力に障害があって物忘れの自覚はあるけれど、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度である場合がMCIです。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされ、認知症の前段階と考えられています。しかし、このMCIの時期に適切な治療を行えば、認知症を予防したり、発症を遅らせることが可能です。そのために、認知症の予防について正しい知識を持つことが大切です。

原因物質の蓄積は20年前から始まっている

アルツハイマー病患者の脳内にはアミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積し、これに伴って神経細胞が死んで脱落することから脳が萎縮し物忘れなどの症状が発現します。

βアミロイドタンパク質は、発症する20年前から脳にたまり始めています。若いうちは分解・排出がスムーズにできますが、加齢とともにその機能が衰えて40~50歳頃から脳内への蓄積が始まります。アルツハイマー型の認知症は高齢になって突然発症するものではなく、実は徐々に進行していたのです。

栄養とこまめな運動で脳を元気に

脳は非常にぜいたくな組織です。その働きを維持するには、すべての栄養素がそろっている必要があります。前述の軽度認知障害の患者さんを対象とした実験でも、様々な栄養素を一緒に摂取しています。緑黄色野菜、特にかきやレバーなどの動物性食品、かつお、まぐろや、魚介では特にいわし、さばなどの青魚を積極的に食べることが推奨されます。

脳に限らず、老化や病気を防ぐためには代謝が重要です。代謝とは、簡単にいうと、栄養素を消化・吸収してエネルギーや生命の維持に必要な物質に変えることです。代謝をスムーズにするためには、食事から栄養素をバランスよく摂取することが大切です。糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルを5大栄養素といいます。ビタミンとミネラルは種類が多く、すべてを過不足なく摂取するのはたいへんです。食事だけでは十分に摂れない場合は、サプリメントで補うのもいいでしょう。

認知症の発症を予防するためには、生活習慣の見直しがカギになります。食生活の改善、運動不足の解消、睡眠を十分にとるなどの基本が肝心。日常生活では、座っている時間が長いと認知症の発症リスクが高まります。ときどき立ち上がって気分転換するなど、こまめに体を動かして脳に刺激を与えましょう。

<参考図書・URL>

『あなたの健康寿命は「葉酸」で延ばせる』(香川靖雄著・ワニブックス刊)

 

厚生労働省 e-ヘルスネット 認知症

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-033.html

遺伝子対応栄養指導さかど葉酸プロジェクト10年の成果(平成28年度日本ビタミン学会市民公開講座要旨)公益社団法人日本ビタミン学会

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/91/1/91_62/_article/-char/ja/

——— Keyword ———キーワード