MENU
MENU
2020.04.16

国家レベルで推進! 葉酸摂取の海外事情

葉酸は日本人に不足しがちな栄養素の一つです。その理由は、日本で広く注目されていなかったことに加えて、葉酸の利用効率が低い遺伝子を持つ日本人が多いことも挙げられます。しかし、海外では国家レベルで摂取を推進している国もあり、重要な栄養素として位置づけられています。なぜ葉酸が重要なのか、海外の事例から探ってみましょう。

葉酸はあまり注目されない栄養素?

葉酸は1941年に発見された、比較的新しい栄養素です。ほうれん草の抽出物から見つかったため、ラテン語の「葉」を意味するfoliumと「酸」を意味するacidから、「葉酸(folic acid)」と名づけられました。「folic aid」に「葉酸」という訳語をあてたのは、日野原重明先生です。日野原先生といえば100歳を超えても現役医師として活躍され、105歳で亡くなられました。ちなみに、従来は「成人病」と呼ばれていた一群の病気の名称を「生活習慣病」に改めたのも日野原先生です。

 

葉酸はビタミンB群に分類され、かつてはビタミンM、ビタミンB9と呼ばれたこともあります。ブロッコリー、グリーンアスパラ、枝豆などの野菜、牛や豚のレバーに多く含まれています。葉酸をはじめとするビタミンは体内で合成できないため、食べ物から摂取する必要があります。  

 

近年、諸外国の調査によって、妊娠初期の葉酸の十分な摂取が、胎児にとって非常に重要であることが分かり、葉酸摂取の啓発活動が先進各国に広がりました。

海外では法律で主食に葉酸を添加

葉酸は世界で唯一、法律で摂取が強制されている栄養素です。しかし、普段の食事だけで必要十分な葉酸を摂取するのは難しいものです。そこで、葉酸を加えていない穀物を販売してはならないという強硬策をとっている国もあります。例えば、コーンフレーク、パン、ベーグル、コーンミール、パスタ、小麦粉、米などに葉酸を添加している国が、世界に82カ国もあります。その取り組みの例を見てみましょう。  

 

・アメリカ・カナダ

葉酸の重要性にいち早く気づいたのはアメリカでした。アメリカでは、1998年から、米、小麦粉、パスタ、シリアル、パンなどの穀類には100gあたり140μgの葉酸を添加するように製造業者に要請しています。葉酸が添加されていない穀物は売ることができません。これによって、健康食品やサプリメントを購入する余裕がなくても葉酸摂取が可能になります。その1年後、カナダでも同様に、精製小麦粉、栄養強化パスタ、コーンミールを含む多くの穀類へ葉酸を添加するように求めています。  

 

・オーストラリア

葉酸の強制添加は後発ですが、諸外国の多くが100gあたり140μgの葉酸を添加しているところ、オーストラリアは280μgもの葉酸を添加しています。  

 

・中国

穀類への葉酸添加は行っていませんが、低所得層には無料で葉酸サプリメントを配っています。  

 

・インドネシア

インドネシアは、アジアの国の中で一番先に穀類の葉酸強化に取り組みました。葉酸を添加していない穀類は販売できません。「インドミン」というインスタント麺にも葉酸が加えられています。

海外では法律で主食に葉酸を添加

葉酸は世界で唯一、法律で摂取が強制されている栄養素です。しかし、普段の食事だけで必要十分な葉酸を摂取するのは難しいものです。そこで、葉酸を加えていない穀物を販売してはならないという強硬策をとっている国もあります。例えば、コーンフレーク、パン、ベーグル、コーンミール、パスタ、小麦粉、米などに葉酸を添加している国が、世界に82カ国もあります。その取り組みの例を見てみましょう。  

 

遅れている日本の葉酸摂取

日本では、2000年に厚生労働省が、妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は通常の食事からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日400μgのモノグルタミン酸型葉酸を摂取することを推奨する通達を出しました。しかし、諸外国のような強制力はなく、妊娠を計画している、または妊娠中の女性に限定しているため、葉酸は妊婦さんの栄養素というイメージが先行して、その重要性が広まっていません。また、対象となる女性でさえ、摂取が進んでいないのが実情なのです。

 

<参考図書>

『あなたの健康寿命は「葉酸」で延ばせる』(香川靖雄著・ワニブックス刊)

——— Keyword ———キーワード