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2020.04.23更新

認知症大国、日本人に必要な対策とは?

厚生労働省の調査によると、2012年時点で日本の65歳以上の高齢者の認知症有病率は462万人とされています。来る2025年には、その数は約730万人に増え、高齢者の5人に1人が認知症と推計されています。(参考①)このように日本では認知症高齢者が年々増えているのに対して、アメリカ、イギリスでは認知症の有病者数の減少や発症率の低下も報告されています。日本と欧米の違いはどこにあるのでしょう?

日本人に多いアルツハイマー型と脳血管性

認知症とは、脳の神経細胞が壊れて記憶や認知機能が低下することで、生活に支障をきたす状態を言います。さまざまな症状がありますが、わかりやすいのが「記憶障害」でしょう。認知症と単なる物忘れの大きな違いは、時間と場所と人がわからなくなる「見当識障害」、言葉の意味がわからなくなり、例えば「雨が降ったときにさすのは何でしょう」などの一般的な質問に答えられない「意味記憶障害」が見られることです。

 

認知症にはいくつかの種類があり、日本人に多いのは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。

 

「アルツハイマー型認知症」は、脳の神経細胞の減少、脳全体の委縮、脳に老人斑と呼ばれるシミが広がるなどの変化が見られます。原因はまだはっきり解明されていませんが、脳の中にβアミロイドと呼ばれる異常なたんぱく質がたまることが原因の一つとされています。

 

「脳血管性認知症」は、脳の血管の詰まりや破れによって、脳の機能が低下することで怒ります。脳血管性認知症は、脳梗塞後に発生しやすいと考えられます。

高齢女性の認知症、日本はアメリカの2倍!?

日本における65歳以上の高齢者の認知症有病者の数は、2012年の時点で462万人でした。人口あたりの認知症有病者数でアメリカの2倍以上にのぼります。

 

認知症を発症してから亡くなるまでの期間にも差があります。日本人女性とアメリカ人女性が、それぞれ認知症で過ごす期間を比較した研究で、日本人の65歳の女性は、元気に過ごせるのは約17年間で、その後の約6年間は認知症で過ごします。一方、アメリカ人の65歳の女性は20年近く元気に生活ができて、その後の認知症で過ごす期間はわずか2年弱というデータがあります。余命だけを見れば日本人女性のほうがアメリカ人女性よりも長い計算になりますが、健康寿命という点ではアメリカ人女性のほうが圧倒的に長いと言えます。

 

一般的に、肥満や糖尿病の人は認知症を発症するリスクが高まります。アメリカでは、糖尿病患者や肥満者は増加傾向にあるにもかかわらず、認知症が減っているのです。(参考②)

脳の栄養と活性化が大事

脳は非常にぜいたくな組織なので、その働きを維持するためにはすべての栄養素がそろっている必要があります。そして、どんなに栄養を摂っていても、脳を使わなければ機能を維持することはできません。人間は高齢になったら脳の細胞は減る一方で、脳を鍛えることはできないと思うかもしれませんが、それは間違いです。100歳になっても脳を使えば脳細胞が活性化します。計算をするときは電卓に頼らずに筆算する、本や新聞を音読する、それだけで脳は活発になります。

 

さらに、座って過ごす時間が長い生活は、認知症のリスクが高くなることも報告されています。オフィスではデスクワーク、家で座って過ごすことが多い人は、お茶をいれる、ゴミを捨てるなどの行動でもいいので、こまめに立ち上がって体を動かして、脳に刺激を与えるように心がけましょう。(参考②)

 

<参考図書・URL>

①データ出典:「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業九州大学 二宮教授)による速報値

https://www.mhlw.go.jp/content/000524702.pdf

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